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作問の仕方ーその1
初めに
皆さんこんにちは。PCTと申します。
PCTからの挑戦状 難易度 極
— PCTの数学垢 (@pctmathproblems) 2020年6月26日
解答は証明付きで@pctmathproblemsにDMで送ってください
全4問で構成されるこの問題...
どれも解くことはかなり困難である...
ーーー貴方はこの式が何を表しているか見破ることが出来ますか? pic.twitter.com/QnUaJeq9HA
上のツイートのような作問を公開させていただいています。
今回は私がどのように作問しているかを何回かに分けて説明させていただきます。
3回から5回にかけてこの記事を書いていこうかと思います。
是非見ていってください。
今回の問題・解説
今回説明用に作った問題はこちらです。
自然数を用いてと表すことができる1以上10000以下の自然数はいくつ存在する?
まずは解いてみてください。
解説です。
まず左辺を因数分解します。
とは偶奇が一致します。
よりnとしては奇数×奇数または偶数×偶数で表されるもの
つまりは2で2回以上割り切れるものと奇数が条件を満たす。
より当てはまるものは
より解答は7500...
見事罠に引っかかっていますね
例示は理解の試金石ということでn=1の時を試します。
この時はで成り立ちますが残念ながら0は自然数ではないので1では成り立ちません。
コーナーケースですね。
これでの時を上記から除けばいいことが分かります。
まずが合成数の場合は他に上記の式を満たす方法は存在します。
の時は試したのでが素数になるときを考えてみましょう。
まず素数について考える時は真っ先に2について考えます。
なぜならこれがコーナーケースになる確率が高いからです。
実際今回の問題ものの時は成り立たないです。
後は奇素数について考えます。
ある奇素数が与えられたとします。
この場合はとすれば等式は満たしこれは必ず自然数です。
より上記からを除いたが解答です。
いかかでしょうか。正解できましたか?ではこの問題の作り方です。
本問の作り方
この問題を作った方法です。
今回したことは"符号を変える"です
今回の問題は有名なピタゴラスの定理
を利用しました。
まずこの問題の符号を変えてみます。
いかがでしょう。すでに整数問題っぽいでしょう。
けどこれだと移行するともとの式と変わりません。
では2乗をとってみましょう。
これで完成です。
後は制限をうまくつけてあげます。
今回は整数問題が作りたいのでは整数にしようかと思ったんですがを交換すればいいだけなので自然数にします。
も自然数でも整数でも変わりませんがが使えなくなりコーナーケースを生まれそうなので自然数にします。
このように範囲を決める時はそれぞれの変数の特徴を見て決めましょう。
実際自然数にすることでというコーナーケースを生むことに成功しました。
コーナーケースはあるだけいいというものではありません。
今回のように2パターン程度がちょうどいいでしょう。
これで本問
自然数を用いてと表すことができる1以上10000以下の自然数はいくつ存在する?
の完成です。
簡単でしょう?
まとめ
ポイントは
- 有名な式を見つける
- その式の符号や乗などの特徴を変えてみる
- 範囲を変数ごとによく見て決める
- コーナーケースがどれだけあるかの確認
の4ステップです。
初めのステップは学校の教科書に載っているような簡単な式でも構いません。
実際今回もピタゴラスの定理から作りましたからね。
今回の問題はまあまあ簡単ですがJMO予選序盤~中盤に出てもおかしくはないと思います。(実際似たようなな問題は存在しました)
このような問題をいくつか作ってみましょう。そうすれば夢の自己流テストが作れたりします。
人に問題を解いてもらうのは楽しいですよ。
初めに紹介したような問題を作るにはまだポイントが必要ですがそれはまたの機会に説明します。
まあ僕の本気の問題って結構癖が強いんですけどね。
ではまた次回。
*1:上の問題はNumber.4に訂正がございます。
すいません訂正です
— PCTの数学垢 (@pctmathproblems) 2020年6月26日
Number.4でz(x,y)はx,yが非負整数である時に定義され
自然数の定義は問題の通り
片方もしくは両方が0の場合はz(x,y)=1とします
そしてf_nのnは自然数とし
α(x,y)はx,yが自然数の時のみ定義されるものとします https://t.co/BC398JMr2E
ご確認ください。